小学校で琴の授業でした
昨日は埼玉県の小学校に琴の授業に行きました。
今の小中学校では、音楽や総合学習の授業のなかに和楽器を弾く時間が設けられています。といってもやはり琴の扱い方が分からない先生がまだまだ多いので、こうやってお手伝いに行くことがよくあります。
ウチのコの学校はやってないけどー??という場合は、音楽の先生が和楽器や邦楽に苦手意識をもっていたり、教材の楽器を用意するのが困難な状況だったりするのだと思います。琴じゃなければたいてい和太鼓をしているみたいです。
今日の学校は和室で、正座で授業でした。椅子でやるほうが生徒の間を動き回りやすいのですが、正座をするというのも今の子どもにとっては意味のある学習なのかもしれませんね。
今回は5年生4クラス。二人で一面の琴を交代で弾きます。45分授業でみんなさくらさくらが弾けるようになるんですよ。
授業の後、子どもたちのクラスに混ぜてもらって、一緒に給食をいただきました。弾いてみた感想を聞かせてくれたり、質問をしてくれたり、おもしろかったです。
子どもたちから質問された中に「琴をはじめたきっかけは何ですか?」という質問がありました。
私は高校の部活ではじめました。それまではちっとも知らないものでした。
高校に入学して部活見学に行って、楽器に触らせてもらったときに、はじめて弾いたはずなのに、とても懐かしい感覚が湧き起こりました。その不思議さと感動を覚えています。
琴の音はとてもきれいな音だと思いました。自分が聞いたことのある楽器の中で、一番美しい音だと思いました。
それから、親指一本で一曲弾くことができたことも大きな要因でした。
あっこれなら私にも出来るかもしれないと思いました。
しかもその曲は弾きながら歌うもので、私にも弾き歌いなんてことが出来るのかもしれないと思えて、とても嬉しかったし、なんだか“希望の光”のようにも感じました。
私には音楽からの疎外感というものがあって。
幼稚園から中2の夏までピアノ教室に通っていたものの、年数のわりに全然弾けるようにならず。両手の5本の指を全てバラバラに動かしてさらに足も使うというあのピアノというものは、私にはとても難しかったのです。
歌も好きで歌いたかったけれど、とても下手だったので歌えなくて。歌いたくなくて。
こんな下手だし、音楽詳しくないし、音感もないし、音楽について何一つ分かってないし、こんな私が「音楽が好き」なんて言っちゃいけないと思っていました。
けれど、こんな私でも弾けるかもしれない、歌っていいかもしれないと思えたのが琴でした。
音楽からの疎外感。
それはもしかしたら、今も完全に消え去ったわけではないもしれない。
けれど、琴が私をここまで連れてきてくれた。
たくさんの人に会わせてくれた。
色々な経験をさせてくれた。
そのことに、とても感謝しています。
もう一つ、印象に残っている質問が。
「お琴、好きですか?」
自分の中心の深い部分を、問いただされているようです。
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